6月の初旬、近所のスーパーマーケットでATMの順番待ちをしていたら、バーン!と大きな音がした。何事かと振り返ると、軽のワゴン車がフェンスをなぎ倒して用水路に転落するところだった。
すぐ現場に駆け寄ると、転落した車の女性運転手が「助けてー!」と叫んでいた。
「浅いから落ち着いて」と大声で伝えたものの、田植えの季節でいつもより水位が高い。車内の人数を尋ねると全部で3人、私はすぐに110番と119番へ通報したが、その間にも車はやや右に曲がりながら沈みつつあった。なぜか、ワイパーが激しく作動していた。
間もなく、店のスタッフ達が折りたたみ式のハシゴを用水路のコンクリート壁に立てかけ、その場に居合わせた人たちと協力して3人と一匹の犬を救助した。今回の事故は、おそらくブレーキとアクセルの踏み間違えが原因だと思うが、ワゴン車が水没してしまうほどの水位がなく、たくさんの人たちが協力し合ったのが幸運な結果につながったと思う。
第一通報者として警察の事情聴取を受けた後で、現場を撮影したが、犠牲者が出ていても不思議ではないような状況だった。このように事故や災害の時にはお互いに声をかけ、助け合うことが一番大切だと思う。
さて一昨年、海沿いの少し高台にあるわが家を民間の「届出避難所」として市へ登録した。少しでも自分たちの防災意識を高めるためと、近所の公民館などの海抜が低く、津波や洪水などの災害に対応できないという理由からである。
毎月開催している「キッズひのきしんクラブ」でも、登録後2回にわたり「防災訓練お泊まり会」を実施した。子どもたちと共に、避難訓練や防災グッズの使い方などをゲームやクイズを交えながら楽しく学習した後、全員が寝袋で休んだ。
近所の方々には身近な避難所が出来たと喜んでいただいているが、本当は災害が起こらず、避難所が利用されないことが一番望ましいのだ。災害の避難所ではなく、多くの方々が安心して寄り集えるような「心の避難所」となることを今は願いながら、先の楽しみとしたい。
H27.8月号 陽だまり語録 84
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