40歳になってから毎年一度、健康診査を受けている。今年も6月に受診したら、数日たって速達が届いた。封を開くと「胃ガンの疑いあり、要精密検査」とのこと。ガーン!ついに恐れていたものが来たかと一瞬ひるんだ。
▲この検査から2年後のバースデイプレゼント
しかし、今までも肝臓と心臓(肝心かあ…)の検査でセーフだったし、今回も大丈夫だと自分に言い聞かせた。
「ただ“速達”で来てるからなあ」と恐るおそる病院へ電話をすると、7月13日に胃カメラ検査を受けることになった。ホッとすると同時に、そんなに急を要しないのなら速達なんか出すなよと、だんだん腹が立ってきた。
それから3週間後、初めての胃カメラ検査はあっけないものだった。喉にシュシュっと薬をかけて血管に注射をしたら意識が朦朧として、気がついたら終わっていた。不謹慎だが、こんなに楽なことなら毎年受けてもいいかなとさえ思った。ところが検査後、医師から何の説明もない。「念のため生検に出したから、また来週来てください」と看護師が言うだけである。検査だけだったのであまり大勢の人には伝えず、家族と上級教会の会長さんにだけは報告しておいたが、この「念のため」がひどく気掛かりだった。
やはり癌なのか…そう疑うと、その日から胃が痛くなり下痢が続いた。たぶん8月中に手術。こどもおぢばがえりや夏の予定もキャンセルだなあと、いろんなことを考えた。
また、早期発見・早期治療すれば生存率は高いから心配ないというけど、現実に自分がその状況に追い込まれると、どうしても生存しない方の数字が気になってしまうのだ。たとえば90%は助かるといっても、助からない人たちが10%もいるのだ。こんな時、親神様・教祖が必ずお守り下さるという絶対の安心感と家族の支えが本当にありがたかった。
やがて疑惑と苦痛の一週間後、医師から「よかったですね」と聞いた時の嬉しさはたとえようもない。診断結果は慢性胃炎だった。胃炎は「言えん」に通じる。周りの人たちに結局、意見が「言えなくなるような」無言の圧力をかけていたのかもしれないとつくづく反省した。
“速達”の意味を、見つけた気がした。
H22.11月号 陽だまり語録 27
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