ハイブリッドという言葉から連想するのは高性能、環境に配慮、燃費が良いなどエコでクリーンなイメージである。これはハイブリッド車の人気から生まれた感覚であろう。
ところが、ハイブリッドの意味は、1.雑種、2、(異種のものの)混成物(『広辞苑』)であり、hybridの語源はラテン語のhybrida(ヒュブリダ=豚とイノシシから生まれた子孫)すなわちイノブタなのである。このことを知って「そうか、そうか、『イノブタカー』か~」とニッコリする人もいれば、そうでない人もいるであろう。人それぞれに作り上げられたイメージというものは、面白いものである。
さて、毎年春が来ると嬉しいものだ。野山に花が咲き、鳥が鳴き、陽気な気持ちになってくる。しかし、筆者のペンネームにもなっている「ビエン」は花粉にも敏感に反応する。花粉さえなければと思うが、花粉が飛ばなければ樹木が子孫を残すことができなくなる。自分勝手な願いである。まあ、花粉が激しく飛散するときにはマスクや眼鏡を着用すれば良い。良く効く薬も販売されている。しばらく辛抱すれば落ち着くさと楽観していたら、過日、テレビでとんでもないものを知った。
飛んでいるのに”とんでもない”このものの正体は「ハイブリッド花粉」という。スギやヒノキの花粉に黄砂やPM2.5という大陸からの微小粒子状物質が混ざり、さらにパワーアップして人体に悪影響を及ぼすというのだ。PM2.5は2.5ミクロン以下の粉塵の総称で、粒子の大きさが非常に小さい。そのため肺の奥深くまで入りやすく成分に関係なく人体へ健康被害を及ぼす。
参考までに1万円札の厚みが0.1㎜だからミクロンで表すと100ミクロン、PM2.5の40個分である。つまり一枚の一万円札の中に約780億個も入るのだ。こんな物質がスギやヒノキの花粉や黄砂と混ざり合って、すなわちハイブリッド化して襲来してくるのだ。アレルギー性鼻炎のある筆者にとって、かつてないほど強敵である。
名前や見かけはきれいだけど、実態はそうではないものが身の回りにもたくさんある。ハイブッリド車は快適だけど、ハイブリッド花粉はもう要らない。
H30.7月号 陽だまり語録 119
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