久しぶりの速達

▲速達でこんなものが届いたら嬉しいんだけどね

 私は速達が嫌いである。今まで、速達でいい思いをしたことがないからである。しかし、いくら嫌いだからと言っても無視してはいけない。特に病院からの速達は、できたら開封したくないが、放っておくと余計に大変なことになる。

 たとえば3年前、胃がん検診を受けた後に病院から速達が届いた。「胃がんの疑いあり。要精密検査」などと、非常に好ましくない通知だった。

▲こんなものが速達で届くと嬉しくありませんね

 精密検査の結果、以前ここでご紹介したように胃がんではなく胃炎だったので良かったのだが、あれから3年以上も経って安心していたら、今年も胃がん検診の後、また速達が届いたのである。

 中には予想通り「要精密検査」の有難くない通知が入っていた。 すぐに胃カメラの予約を取り、6月18日に精密検査をしてもらった。するとやはり前回同様、念のために“生検”に出すとのこと。3年前にも同じことを言われたのでちょっとは余裕があったけど、結果待ちという時間は、いやなものだ。

「早期発見・早期治療は、治癒率が高い」と、さも大丈夫そうに言っているが、あれは当事者ではない人が安心するための数字だと思う。たとえ90%は大丈夫と言われても、本人は残りの10%の方が気になるのだ。どうも自分が、そちらの方に含まれそうな気がする。つまり考え方が常に悲観的になるのである。そこで私は次のように考えた。

「結果を聞く前に心配しても意味がない。結果が分かってから考えればよい。」だから、当たり前かもしれないが、6月26日の登殿参列のときにも自分のことは一切お願いしなかった。他の人のためにおたすけに励もうと決意した。

 7月1日に病院に行くと、生検の結果はセーフだった。嬉しかった。しかし、その後が情けない。安心かそれとも油断からか、帰宅して台所で冷凍のブロック肉を切り分けていたら包丁で指を切り、今度は整形外科の病院に駆け込んで3針も縫ってもらった。2ヶ月経った今でも傷跡がジンジンする。

“はしごの酒”なら若いころの武勇伝の一つになるかもしれないが、“病院のはしご”はいただけない。油断大敵、ご用心。

H25.10月号 陽だまり語録 62

陽だまり語録

あってもなくてもいいけど、あったらいいな、という食後のお茶かコーヒーみたいなエッセイです。「陽気」誌連載(2008.9~2020.12) ペンネーム: ビエン.J.K

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